大学・地域連携ポータルサイト GAKUMACHI STATION(がくまちステーション)

sp09_main
Special Contents09

地域の思い
―学生と一緒に地域を盛り上げよう―

勧修おやじの会×京都橘大学 げんKids★応援隊 中本 貴久さん

齋藤 史佳さん

Special Interview

中本貴久氏プロフィール
勧修おやじの会 会長
地域の夏祭りの再興に向けて勧修おやじの会を立ち上げ、学生と協力した夏祭りや校庭キャンプのほか、山科ゆかりの坂上田村麻呂をヒーローとして地域を盛り上げる坂上田村麻呂公園愛護会の活動など、山科区勧修学区におけるまちづくりに取り組む。


齋藤史佳氏プロフィール
京都橘大学の学生サークル「げんKids★応援隊」にて2019年12月から2020年12月まで代表を務める。
「げんKids★応援隊」は、地域の夏祭りや小学校におけるキャンプなどの地域のイベントを、住民と協力しながら開催。

まちづくりになくてはならない地域住民の思い。山科区勧修学区には、子どもたちの笑顔があふれるまちにしたいと奮闘する“おやじ”たちがいます。今回は「勧修おやじの会」の中本貴久会長と、おやじの会とともに地域の子どもをはぐくみ育てる京都橘大学の学生サークル「げんKids★応援隊」(以下、「げんKids」という)で2019年12月から2020年度12月まで代表を務めた齋藤史佳さんに、お話を伺いました。

「勧修おやじの会」は中本さんが立ち上げたと伺いました。立上げの経緯を教えてください。

中本:勧修学区で育った私は、子どもの頃に夏祭りで遊んだことが今でも良い思い出となっています。もともと楽しいことが好きな性格で、「今の子どもたちにも楽しい思い出をつくってほしい」という思いから、母校でもある勧修小学校での夏祭りの再興を企画しました。ところが主催していただける団体がなかなか見つかりません。思案していると他学区の方から「『おやじの会』を立ち上げて夏祭りを主催しては?」とアドバイスをいただきました。当時はおやじの会の存在も知りませんでしたし、まだ子どもがいなかった20代の私にはネーミングにも違和感がありましたが、「自分にできることがあれば」という気持ちで2009年に「勧修おやじの会」を立ち上げ、夏祭りを主催しました。

――「地域の夏祭りを開催したい」という気持ちが原動力になったのですね。「げんKids」とは発足時から一緒に活動されていたのでしょうか。

中本:はじめはおやじの会だけでした。会員と京都橘大学の1人の学生の間に交流が生まれたことがきっかけです。若い力に入ってもらいたいとまずは彼に祭りへの参加の声を掛け、彼を通じて大学からサークルを紹介してもらえることを知り、京都橘大学に相談して「げんKids」を紹介していただきました。

――「げんKids」は子どもとの関わりをメインの活動としたサークルですよね。

齋藤:はい。「げんKids」は京都橘大学発達教育学部 児童教育学科の学生によるサークルで、年に5回程度、学内に子どもたちを招いて遊ぶ活動をしています。私が代表をしていた期間には、140名程の学生が在籍していました。おやじの会と一緒に企画運営する夏祭りやキャンプは、私たち「げんKids」にとっても毎年恒例の一大行事になっています。

中本:はじめはおやじの会が主となり運営していましたが、今では運営のほとんどを「げんKids」に任せています。1,000名規模の夏祭りで、毎年100名を超える学生が運営に携わってくれています。卒業した後も、祭りの開催を聞いて顔を出してくれたりもします。

――100名とはすごいですね!夏祭りの運営にそれほど多くの学生が関わっている地域は他に聞いたことがありません。

中本:他の行政区のまちづくり関係者からも「なんちゅう地域や」と驚かれます。「なぜこれほど学生とつながりを持てているのか」を注目され、取組について報告する機会も増えているんですよ。

――「げんKids」の代表としてキャンプや夏祭りに携わった時の話を聞かせてください。

齋藤:私自身はキャンプを経験したのは1度だけなんです。1回生の時は台風で、3・4回生の時はコロナ禍で中止を余儀なくされたので。代表を務めていた2回生の時が開催できた経験ですが、子どもの数が多くて焦りました。そんな私の様子を見て、先輩が声のかけ方なんかを教えてくれました。夏祭りでは、子どもたちが並んでいる間も楽しめるように学生の配置を考えるなどの工夫もしました。「げんKids」での活動をとおして私自身成長できたことを強く感じましたし、将来子どもと関わる職業に就きたいと考えている児童教育学科の学生にとっては実践の場でもあります。

――子どもたちとの交流をとおして、地域にも子どもにも親近感をもつことができたのではないでしょうか。

齋藤:そうですね。イベントで子どもたちの成長を見てきたので、親近感と同時に今はコロナ禍で苦しむ子どもたちの顔も浮かびます……。なんとか助けてあげたいなと考えています。

中本:2020年はコロナ禍の影響でキャンプができなかったので、リモート肝試しと銘打った動画を配信しました。キャンプファイヤーや小学校を舞台にした肝試しなどの従来のキャンプの雰囲気を味わってもらうために、「げんKids 」の皆さんが自ら出演した動画を作成してくれました。

――こうした取組には小学校の協力も必須になりますね。

中本:おやじの会の立上げは当時の小学校長も切望されていたこともあり、勧修小学校には第1回の夏祭りの開催から継続的に協力していただいています。キャンプのプログラムにある、救急救命や着衣スイミングの訓練では、本来は児童しか入ることができないプールを学びの場としてご提供いただき、「京都橘大学 救急救命サークルTURF(ターフ)」(以下、「TURF」という)の学生にも協力してもらって実施しています。

――「TURF」も京都橘大学からのご紹介ですか。

中本:こちらは「TURF」からでした。地域貢献をしたいという申し出がご縁の始まりです。「TURF」の学生にはAEDの使用方法や心肺蘇生法、川で事故から身を守るための着衣水泳、ペットボトル1本で浮く訓練などもしていただいています。高学年の児童の身体の変化などはおやじたちが関わりにくいところなので、訓練だけでなく年齢の近い学生と話せることは細やかなケアにつながっていると感じています。

――子どもをメインとした活動をきっかけに、学生が地域の方とつながる機会も増えてきているのですね。

中本:夏祭りやキャンプをきっかけに、「げんKids」と「TURF」は地域全体から認識されるようになりました。最近では社会福祉協議会でも敬老行事に子どもを呼ぼうという試みが始まり、体育館では敬老行事を開き、運動場では模擬店を出店したり、「げんKids」が企画する遊びの実施などを行ったりしています。

齋藤:社会福祉協議会との行事では流しそうめんなどの企画に参加させていただきました。私たちの活動は勧修学区だけでなく、大宅学区などのほかの地域にも広がっています。

中本:活動の幅が広がっても、学生の皆さんの主体的な活動であり続けているところに驚いています。

――おやじの会として目指すものがあれば教えてください。

中本:「勧修おやじの会」は子どもをメインに考えた活動をしていますが、おやじの会を経験した人たちがネクスト自治連のような形で他の団体に所属することで、より楽しい地域になるのではと考えてます。
個人的には、いつか新十条通を歩行者天国にした、山科区全体を盛り上げるお祭りをしたいという夢がありますが、その時は「げんKids」も一緒にやってくれますよね?

齋藤:はい!私たちも楽しみにしています。

<おわり>