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2019/6/12(水)

「学まち連携大学」促進事業レポートVol.1【京都橘大学】作業療法学科「ものづくり教室」

「学まち連携大学」促進事業は、大学・短期大学や学生の力を地域の活性化の取組に活かす上で、地域との協働活動がゼミ単位や学生グループの取組だけではなく、大学・短期大学の組織的な取組へとつなげていく支援事業です。ここでは、事業の最終年度を迎えた各大学の取組状況をレポートしていきます。
⇒事業詳細はこちら

【Vol.1 京都橘大学
京都橘大学では、各学科の特色を活かし、地域との連携事業を「7つの教育プログラム」として展開しています。今回はそのうち、「高齢者・地域住民の健康増進」の取組から、2019年5月31日に実施された「ものづくり教室」をご紹介します。

1.健康科学部 作業療法学科「ものづくり教室」

2018年度に開設された作業療法学科では、昨年秋から月に1回、高齢者を対象とした「ものづくり教室」を実施しています。作業療法は、身体や精神、発達などに障がいを伴う人に対し、さまざまな作業を通して心身機能の回復を図り、自分らしい生活や社会復帰を支援するものですが、この教室は心身ともに健康な高齢者を対象に開催されています。作業療法を障がいを回復する目的だけでなく、高齢者の生きがいづくりや認知症の予防といった観点から普及させる取組です。

現在は主に、シニアの方々の “仲間づくり”と“役割づくり”をテーマに活動している「NPO法人シーズネット京都」から、8名の高齢者が参加されています。講師は、作業療法学科の佐川佳南枝教授をはじめとする教員の他、作業療法士などの分野で活躍することを目指す学生たちです。

今回のテーマは革細工。学生は事前実習で革細工の作り方をマスターし、当日は参加者とともに製作を進めていきます。高齢者にとっては、ものづくりを楽しみながら若い世代との交流を持つことができ、また学生にとっては、経験豊かな異世代とのコミュニケーションを実践する場にもなっています。

また、この教室では単に作り方を教わるだけでなく、「誰のために」「何を」「どんなデザインで」作るのかを参加者自らが考える工夫が施されています。そして何より普通のものづくり教室と異なる点は、前回の失敗や課題を振り返り、もう一度、同じものを作るというPDCAサイクルが取り入れられていることです。

「作業療法は、その人が主体的に『プランニングする力』を引き出すもの。ものづくりは作った物の向こうにある“家族”や“友人”との『ものがたり』をつくることに他ならない。それが生を輝かせることにつながるのだ。」長年、作業療法を通じてたくさんの人々に関わってこられた近藤敏教授の言葉が印象に残りました。

今年度で2年目を迎える作業療法学科では約80名の学生が学んでいます。地域医療・福祉、こころや発達の障がい支援など、社会からのニーズが高まる中、今後の展開にますます期待が寄せられています。

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