京都市右京区京北宇津地域の宝(自然、人、技術、伝統、歴史など)さがしを通じた地域の活性化をめざす活動を行う大学サークルである。2013年より活動を開始し、今年度が12年目となる。今年度の活動については、京都精華大学と京都外国語大学の学生が中心的な役割を果たしている。
京都市右京区京北宇津地域、宇津ふれあい会館、旧宇津小学校、旧宇津保育所、いっぷく家宇津、宇津峡公園、上桂川、宇津塾(拠点空き家)、宇津塾前の休耕地(畑)
【目的】本事業では宇津地域の活性化に向け関係人口を増やすこと、宇津に産業を創出すること、それらを通して宇津の将来をともに考える場をつくることを目的にする。具体的には、これまでの実績を活用し、大学生及び留学生が地域の活動に参加する足がかりを創出する。さらに、今年度は、宇津の資源を活用した産業の創出にも取り組む。また、ワークショップを通じて地域の人たちと大学生・留学生の協働で地域と関係人口のニーズを把握し、地域の将来を共に考え、継続的な取り組みの方法を提案する。
【背景】宇津地域は豊かな自然と歴史・文化に恵まれながら、小学校は廃校、保育園は廃園、農協も廃業に至るなど過疎化が急速に進んでおり、わが国の地域社会が抱える課題が顕著に見られる。空き家、休耕地も急速に増えつつあり、地域内の合計8集落のうち5集落が限界集落となっている。
1.関係人口の創出と拡大
大学生のエントリーポイントとして以下のワークショップを活用する。
2.地域の将来につながるワークショップ
あばちゃん漬け(地域の伝統料理である白瓜の酒粕漬け)の復活、子どもフェスタ、子ども写真教室などを通じて、地域の人たちや子どもたち、大学生の協働で地域と関係人口のニーズを把握し、地域の未来を共に考える。
3.地域の未利用資源の発掘と活用
空き家と休耕地の利活用など、地域の未利用資源の有効活用を試行する。
4.産業の創出
あばちゃん漬けの商品化を目指した取り組みを行う。
5.活動内容の発信
以上のような活動を地域内外に発信し、潜在的な関係人口を顕在化する。
<学生にとって>
【成果】京都市の「政策交流研究会」や農林水産省の「ニッポンフードシフトフェス」など、活動を発信する場に積極的に参加した。あばちゃん漬けの試食は大好評で、商品化への道筋が見えてきた。他団体との交流をするうえで必要不可欠と判断し、Instagramの利用も開始した。
【課題】中心的に活動するメンバーをもう少し増やしたい。また、活動内容がよりよく伝わる展示やプレゼンテーションや印刷物の工夫など、常に模索していきたい。
<地域にとって>
【成果】地元民も高齢者が多くなり、催しやイベントの開催が困難になりつつあるが、学生との協働で継続開催が可能となっている。
<学生・地域の声>
●学生
・複数の大学の学生が関わるようになったのが、関係人口の創出という意味でも大きかったと思います
・子どもフェスタについて、参加してくれる子どもも学生も大幅に昨年より増え、大きなイベントに育ったので心に残っています
●地域
・改めて学生さん達の有難さを実感し、学生さん達の知恵、アイデア、行動力、発想こそ地域の財産になると気づきました。
・宝さがし会のリーダーの学生が本年卒業後、当地域での就農を希望してくれています、この子が必ず幸せに成って活躍してくれる事への微力ながらお手伝いをさせて頂く事にしました。
・京北宇津宝さがし会主催のイベント実施はもちろん、宇津夏祭りへの協力、朝市への協力、秋祭りでは京都精華大学吹奏楽部の皆さんと地域の人々が合同演奏を披露するという素晴らしいイベントも、成功させてくださいました。「畑の様子を見に来ました」とふらっと寄ってくださることも。宇津の住民にとって、宝さがし会の学生さんたちの宇津への関わり方は、ますます愛おしいものになっています。
クリックで写真が入れ替わります
京都精華大学広報グループ
TEL:075-702-5197