伏見をフィールドにした地域連携型教育プログラムの展開 -まちぐるみキャンパス(学び合いのコミュニティ)の深化-
【2021年度の取組実績】
2021年度は、京都文教大学と連携して以下の取組を実施しました。
≪伏見CBL演習の実施≫
伏見CBL演習を京都府立京都すばる高等学校との連携により開講、本事業で制作したビデオ教材を有効に活用しながら、オンライン・対面による合同授業を実施しました。
2021年度前半は、コロナ禍において伏見ふれあいプラザの開催方法が検討される中、SNSを活用したフォトコンテストについて伏見区に対して提案し、募集方法や部門等について一部が採用され、募集にあたって広報等の協力を行いました。
後半では、京都すばる高等学校との合同授業で、地域関係者等へのヒアリング調査等を通じて向島地域の現状や課題を把握し、解決に向けたプレゼンコンペ(合同報告会)を実施しました。
2021年10月に開催された向島まつりに向けて、京都文教大学、京都すばる高校と連携し、向島地域の魅力を発信するリーフレットを作成しました。当日は、伏見CBL演習と京都文教大学の学生で駒札ウォークラリーを行い、担当したブースでリーフレットを配布するとともに、地域住民から地域の魅力・自慢について聞き取りを行いました。
その後オンラインも活用して向島地域、向島ニュータウンに関する学習交流や合同授業、京都文教大学と京都すばる高校の活動フィールド等の取材を行い、向島地域で活動する地域団体や農業者、個店とともに紹介する冊子を作成しました。
2022年度から新たに開設する地域課題発見演習では、引き続き向島地域を対象に、高大連携の科目の整備と全学展開を目指します。
≪高校生と大学生の共同授業≫
2021年12月10日オンラインにて、イラストレーターもりゆか氏、株式会社Stroly池谷氏を講師に「深草・稲荷まちあるきマップ」の制作について講演会を開催しました。龍谷大学政策学部只友ゼミ生、町家キャンパス七彩コミュニティで活動する龍谷大学の学生、京都府立北稜高等学校の生徒が参加しました。
「深草・稲荷まちあるきマップ」は、2019年の龍谷大学創立380周年及び京阪深草駅が龍谷大前深草駅に駅名が変更をされたことを記念して製作されたものです。深草・稲荷地域の魅力発掘と発信を目的に、龍谷大学政策学部只友ゼミの学生が地域を取材して作成したオンラインマップで、内容の更新や地域連携活動への活用を継続的に検討していきます。
≪ビデオ教材制作と公開≫
2021年度は伏見区・深草地域を対象地区としてビデオ教材を制作しました。制作にあたってはNPO法人深草・龍谷町家コミュニティと連携しながら、深草の歴史や地域資源、地域課題発見とその解決にむけた取組に関する講義を収録しました。
2020年度に制作したビデオ教材4本とあわせて計7本のビデオをYou Tubeで限定公開または一般公開するオンデマンド配信の仕組みを整備しました。龍谷大学、京都文教大学、京都すばる高等学校の学生が視聴し、各校の地域連携型教育プログラムで使用するとともに、一般に公開することで他校の授業や地域活動に役立てます。
≪アーカイブコンテンツ調査≫
インターネットに公開されている既存のホームページ、地図、資料、ビデオ等を地域連携型教育の教材として活用することが可能か調査を行いました。その結果、伏見区の歴史、環境、商店街の活性化、まちづくりについて掲載した170のコンテンツを収集しました。この中から授業で活用できるコンテンツを選択し、2022年度以降の教育プログラムの開発に活用します。ビデオ教材とあわせてオンデマンドにおける活用が可能か、方法についても検討します。
≪地域連携型教育におけるオンライン活用事例集の作成≫
新型コロナウイルス感染拡大により、多くの大学ではフィールドワークに出ることが難しくなり、学生が地域の方と話す機会も減少しました。しかしこのような状況下でも、オンラインを効果的に取り入れた地域連携型の学びが展開されています。コロナ終息後は、オンラインと対面を組み合わせたハイブリット型授業が定着すると考え、さまざまな工夫や経験を蓄積する目的でオンライン活用事例集を作成し、ホームページで公開しました。
- 1.オンラインラジオ収録指導
- 2.高大連携授業におけるオンラインの活用
- 3.コロナ禍の地域交流/地域調査のためのオンライン機能の活用
- 4.フィールドワークにおけるオンラインの活用
- 5.事前学習としてのバーチャルフィールドワーク
- 6.社会起業家育成プログラム「バーチャルフィールドワーク」
- 7.地域と地域がつながるオンライン講演会
- 8.コロナ禍の地域交流/地域調査のためのオンライン機能の活用(海外)
- 9.ファーマーズディナー・ワークショップ(持続可能な農業と農村コミュニティを考える~日伊の経験を通じて)
≪地域の多文化共生の推進≫
地域の多文化共生を推進するための活動として、京都文教大学では2021年度向島学生センターに居住する留学生を対象とした日本語教室を継続し、コロナワクチン接種に必要な日本語指導「コロナの日本語」(6月20日)、日本文化紹介「墨絵ワークショップ」(11月7日)を実施しました。
また、藤の木学区の民生委員を中心とした新たな地域交流拠点「藤の木セカンドハウス」の発足(12月8日)に参画し、地域の子ども若者支援事業「向島小学生勉強会」の一環として外国ルーツの子どもたちの学習支援を開始しました。
関連リンク
龍谷大学政策学部/「学まち連携大学」促進事業