<京都市消防団研究会>
北消防団衣笠分団と右京消防団御室分団の管轄区域上の境界に位置する立命館大学衣笠キャンパスでの防火啓発を主たる目的とした合同での消防団活動の企画とともに、消防団・分団の連携に関わる研究をおこなった。
<北消防団衣笠分団>
衣笠分団では「自分たちの町は自分達で守る」という精神の下、一致団結して活動している。また、愛する郷土を守るという確固たる決意の団員が多く、「安心、安全の衣笠地域」の実現のため、全員で頑張ろうを合言葉に、日々の、防火、防災活動に取り組んでいる(京都市消防局webサイト参照)。
<右京消防団御室分団>
管轄する区域内にお寺が多いことから、分団員の約半数を僧侶が占めるなど、様々な職業で構成され、年齢も20代から50代と幅広いが一致団結して活動している。学区住民の命や財産を守ることはもちろんのこと、国や市民の宝といえる文化財や自然が多く、このような宝を災害から守る活動を日々行っている(京都市消防局webサイト参照)。
<立命館大学衣笠キャンパス地域連携課>
衣笠キャンパスにおける地域の窓口として2018年4月に設置された。地域の課題を把握し、その解決策に学生たちと一緒に取り組むことが、地域のためにもなり、学生たちの「学びと成長」につながる活動等に積極的に取り組むよう心がけている。
京都市北区/立命館大学衣笠キャンパス
「管轄地域が隣接でも、行政区が違うとその消防分団や地域について知らない」という声に対する分団間の関係づくりとともに、両分団の所属地域をまたがる立命館大学関係者の防火・防災意識の向上をめざして、合同消防団活動を実施した。
合同消防団活動の実施に向けた企画として、内容の選定や場所の確保をおこなうとともに、AED使用法の展示訓練のマニュアルを作成した。加えて、合同消防団活動の質の評価のため、OPPA論の研究・実践をレビューし、学習シート(OPPシート)の開発・実践をおこなった。シートの中で求められる「本質的な問い」は、2000年以降の総務省消防庁の消防審議会における地域密着性に関わる発言の分析を通じて、「各消防分団や地域に対する情報やイメージ」について尋ねることとした。
<学生にとって>
新型コロナウイルス感染症対策を講じた「心肺蘇生法の訓練」の展示と消火器体験を通じて、大学の防火防災活動の啓発に微力ながら寄与できた。消火器体験では、留学生を含む学生・教職員などの大学関係者約40名の参加があった。
<地域にとって>
普段、管轄区地域が隣接しながらも、他行政区に所属するため、ともに活動する機会がない消防分団や分団員同士をつなぐことができた。これにより、災害発生時においても、両分団のより円滑な対応が期待できる。
<学生・地域の声>
・合同訓練、新しい機会の第一歩として良い試みだと思いました。地域全体で防災減災を広めていけたらと考えています。
・参加した学生は興味関心をもって、一生懸命に取り組んでいた印象です。一方で、開催時期や事前の告知で課題も感じました。
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